ポケモンGO配信と、小説2話目。
ポケモンGO、昨日配信されましたね!
皆さんもうやってますか?
私は昨日たまたま大きな仕事を一つ終え休日みたいなものだったので、さっそく街をうろうろして、行ったことのない街に足を踏み入れ、迷子になりかけました。
気づけば一日で20キロ近く歩いておりました。
ちなみにカゲ子、普段はデスクワークなインドア派なので体力はありません……ポケモンGOすげえ!(^o^)
詳細なプレイに関してはまた別記事にしようと思いますが、一昨日書いていた小説2話がジャストなうな感じでしたので更新します。
リアル連動型っぽくなってるので、ポケGO休憩中や鯖落ち時にでも読んでやってください。
02
βテストの応募を終えて数日。
普段通りに生活しながら、俺はβテストの当選通知を待っていた。
かなりそわそわして、応募に使ったメールアドレスを何度もチェックした。
……だが、来ない。
ツイッターをチェックすると、何人かが「当選した!」とツイートしている。
さらに、Androidだと当選数が多く、iPhoneだと当選数がかなり低いということも分かった。どれだけ低いかと言うと、天文学的数値だという。
「これは無理だろうなあ……」
結局、俺はβテストに当選しなかったらしい。
そうしてメールが来ぬまま、ポケモンGOはリリース日を迎えた。
まず、他の国で配信された。
ニュージーランド、アメリカ、オーストラリア辺りから。
ポケモン発祥国である日本が入っていないことがいささか疑問ではあったが、すぐに配信されるだろうと思った。
それが、7月の頭ぐらいのことである。
「まだなのかよー……」
昼飯時、スマホの画面を睨みながら俺は言った。
「赤嶺さん、貧乏揺すりやめてください。味噌汁こぼれます」
目の前で焼肉定食を食べていた後輩の桜井功多に指摘され、自分が苛立ちに貧乏揺すりしていたことに気づいた。
すぐにやめる。
「……だって、ポケモンGOが配信されないんだ」
「あれ? まだ配信始まってないんですか?」
「そうだよ」
「先週辺りから『もう来るはず』って毎日聞いてる気がするんですが」
桜井に言われて、俺は定食の唐揚げを頬張る。
「……予想では来てるはずだったんだよ」
「予想だけで言ってたんですか」
痛い指摘が飛んできた。
確かに、勝手に騒いでいたのは自分である……が、それにも理由があったのだ。
「公式さんがだんまりなんだよ……」
「そうなんですか? 配信日とか、予定立ってないんです?」
「もう間もなく、とか、いましばらく、とは配信元のお偉いさんが言ってる」
「そりゃあ予想もしたくなるかもしれませんね」
桜井が苦笑混じりに言ったので、「だろ?」と思わず同意を求めた。
「でも、予想できるってくらいですし、何か根拠とかあったんですか」
「7月頭に他の国で配信されたんだ。だから日本もすぐ来ると思ったんだけど……」
「あーそういうことですか」
「海外の会社でしたっけ、配信元。えーと確か……にゃんてっく」
「ナイアンティックだよ。『Ingress』の会社。ポケモンは日本のコンテンツなのに」
「でも配信元が海外の会社なんじゃ仕方ないんじゃないっすか?」
刺身定食の刺身をつまみながら桜井が言う。
仕方ない。そうさ、仕方ない。
そんなことは分かってるんだが……
「……俺は早くやりたいんだよ!」
「まあ、楽しみにしてることは知ってますけど」
子供じゃないんだから、というように桜井が冷めた目で俺を見ながら味噌汁をすすっている。
「早く配信されるといいですね」
「本当だよ……こちとら6月のβテストの時から待ってるんだ」
「赤嶺さんより長く待ってた人いると思いますけど」
「長さの問題じゃねーのよ。気持ちの問題なの!」
「まあまあ、とりあえず気長に待ちましょうって。ゲームの発売で待たされることなんて、よくある話っすよ」
そう言う桜井はゲーマーである。
ゆえにゲームの発売・配信を待つのはもう慣れきっているようだった。
まるで悟りを開いた賢者のようである。
「桜井。お前さ、配信されたら一緒にやろう」
「えー。僕、FGOとか艦これとかグラブルやるので忙しいんですけど」
「お前ならあと一個くらいゲームが増えたってできんだろ」
「えー……」と不満の声を上げる桜井。
「一緒にやってくれたら、一回メシ奢ってやる」
「……なんか友達いない人みたいですね」
……何も言えない。
最近は仕事にかまけすぎて、友達なんていうのがあまりいないのは確かだった。
子供の頃には今よりずっといたと思うが、あれは学校という共同体があっての話なのだろう。
会社勤めじゃ、ああはいかない……いや、俺のコミュ力がないだけなんだろうか。
「分かりましたよ。じゃあ、配信されたら考えます」
「よし! 配信したら絶対教えるからな!」
とはいえ、本当に配信されるのだろうかという不安があった。
デマやガセネタも多分にあったが、海外の先行配信からかなり日が開いてしまったためだろう……日本では配信されないんじゃないか、なんていう憶測まで飛び交い始めている。
そんなことになったら、やり切れないわけだが。
せめて公式が何か発表してくれればいいのだが……
……これも先に言ったように、期待できそうにないので、やきもきするばかりだ。
昨日なんて、大手のメディアが配信日を外したくらいだ。
俺のような個人では、正確な配信日の予想などできない。
ツイッターを眺め、待ちわびる同志たちの怨嗟と嘆きの声に同意しつつ、ただ待ち続けるしかできないのだ。
7月末、8月、9月半ば……いろいろな説があるが、どれも信憑性に欠けている。
だから、今日来るかもしれないし、明日来るかもしれない。
……もしかしたら、年内に配信されないかもしれないし、日本では配信されないかもしれない。
そんな不安を抱きながら、俺はそれでも配信を待つ。
まあ、そうは言っても、焦ったところで配信されるわけじゃない。
桜井も言ってたけど、気長に待つさ。
一週間だろうと、ひと月だろうと。
だって俺は、楽しみにしてるんだ。待てる、待てる――
そんな風に配信日未定状態だったポケモンGO。
だが翌日。それは唐突に、何の前触れもなく配信されたのである。
キャラクター紹介
・桜井功多《さくらい こうた》
陽介の会社の後輩の26歳。
冷めた物言いをしゲームばかりしているが、何でも器用にできる人。
陽介には言ってないが、ポケモンもやっていたらしい。